アコースティック・パビリオンは、建築やプロダクトの形に注目が集まる現代において、その側面にある音を伝える構造物(リスニングマシーン)としての要素にフォーカスしたプロジェクトです。
この作品はいたってシンプルなパーツで構成されています。鑑賞者はABS製の大小・長短さまざまなパイプと円錐形のホーンを組み合わせて、自由に造形を作ります。そして、取り付けたホーンからそのパイプのネットワークの中を通り、さまざまに変化、増幅された音を聞くことができます。
聞こえる音は別のホーンから入った風の音や、誰かがパイプに触れた音、第三者が環境に干渉することで音は絶えず変化していきます。
アコースティック・パビリオンは空間とデザイン、音の関係性を聴覚を使って体験することのできるインスタレーションです。
ル・コルビュジェとヤニス・クセナキスの建築の音楽的試みからインスピレーションを受けて制作されたこのプロジェクトは、コルビュジェのデザインした最後の建造物であるFirminyにあるサンピエール教会内で展示されました。