ガーデン・オブ・ルッソロは、鑑賞者それぞれのインタラクションに応じてさまざまに反応し、身体的なコミュニケーションを楽しむことが出来ます。例えば、オブジェ側面のホーンに向かって発した声や音が逆さに再生されたり、ひずんで雑音のようになったり、ふつうの声が音楽のようにメロディになったり、高い位置のホーンから入った音が、低いホーンから低い音になって聞こえます。またハンドルがついているものは、ハンドルをまわす速度に応じて音の速さが変化します。誰かの声や周囲の音が、この装置を通すことで異なる音に変換されるのです。作品タイトルは、20世紀初頭のイタリアで興った前衛芸術運動「未来派」のルイジ・ルッソロからきています。ルッソロは1913年に「騒音芸術」によって、騒音による音の領域の拡張を宣言しました。それは機械化、都市化の時代という新しい時代における感受性の変化を表わすものでした。デザインもルッソロの創作した騒音楽器「イントナルモーリ」に刺激を受けています。