Dallas Museum of Artのグループ展Speechlessでのインタラクティブインスタレーション
Sound of the Earth: Chapter 2は音がどのように人と繋がり、教育することができるのかをテーマとしたインスタレーション作品。人間の感覚をテーマにしたグループ展Speechlessで展示されたこの作品は、ローカルそしてグローバルなコミュニティとは何かを、ありがちな視覚的な方法ではなく、音を通して表現。際立った地域性を音をミディアムに、聴く者に異国の文化を体験させます。
防音室に置かれた暗い、地球のような球体からは、来場者がどこに耳を傾けるかによって様々な音が聞こえます。これらは世界中の人々からクラウドソーシングで集められ、彼らの生活の一瞬を拾ったものとなっています。集められた音は分類され、地理的に球体上に配置されています。単一的と言える球体と耳を傾けることで生まれる豊かなテクスチュアの間には、私たちの美しく多様な地球に点在する土地土地の、新しく、新鮮な体験が生まれます。
球体の暗く、滑らかな姿はSpeechless展で展示された様々な感覚に訴えかける他の作品とは対照的なものとなっています。私たちはかつてないほどに繋がった世界に暮らしているにも関わらず、その体験とは視覚のみ、あるいは視覚と音といったように何か一つ他の感覚を組み合わせた形であることが多いものです。本作は音単体での世界の表現を試みています。
本作の鑑賞は主に聴覚を通してとなりますが、来場者の体験は包括的なものとなるように作られています。球体面から発生する音は振動でもあり、聴覚の不自由な方も手を触れるなどして触覚的に体験できるようになっています。
本作は大勢のサウンドクリップの提供者によって成り立っており、この制作プロセスへの参加は提供者と鑑賞者の線引きを曖昧にし、両者ともに作り手へと変えていると言えるでしょう。