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  • The Physical Value of Sound

    ザ・フィジカル・バリュー・オブ・サウンドは、人々が音楽をフィジカルに楽しむことのできる一連の製品で構成されています。

    私たちの身の回りにある写真、映画、音楽などメディアは、アナログからデジタルに変わりました 。最近のほとんどは、デジタル音のみで録音されています。
    これらの作品は、次世代の音楽のデジタル化に対するアンチテーゼです。デジタルは単にデータで、つまり仮想でしかないのですもしパラダイムシフトが起こり将来電気というものがなくなってしまえば二度とそのデータを取り出すことはできません。しかしレコードは仮に電気がなくても力学的に音を再生することができます。

    私は、レコードはアナログですが録音技術として最も優れたメディアだと、今もなお信じています。エジソンが発明した蓄音機の歴史を考えると、レコードが生き残り、数百年後も聞くことができるのは明らかです。
    レコードは、簡単に手に入れることができるだけでなく、フィジカカルな再生可能なメディアであり、このプロジェクトでは、この衰退しつつあるこのレコードのフォーマットをマテリアルとして使用しました。私はこのプロジェクトによって、このフィジカルな音楽メディアに対する人々の関心が引き付けられるよう期待が込められています。

    「プリペアド・ターンテーブル」は音楽を能動的に作曲、プレイすることに焦点を置いた作品です。この作品はターンテーブル上で1枚のレコードと擦れ合う5 本のアーム、フェーダーがあり、ボリュームは各フェーダーごとに制御することができます。再生に身体性を伴うこのアナログな作品は、アーティスト自身が懸念するデジタル化が進むDJ文化へのアンチテーゼを表現しています。

    「サウンド・チェーサー」は自由に組み合わせることが出来るレコードのレールの上を、黄色い車が走ることで新しい音楽を作り出すというもの。ユーザーは、自分で好きなピースを好きな形に繋げ、その上を走る車が奏でる不思議な音を楽しむことができます。構造はいたってシンプルな造りですが、「今度は別のピースを繋げてみよう」「脱線しそうだから針を調べてみよう」といった試行錯誤を続けているうちに、自分の思い通りの作品がまた1つ完成する喜びを体験することができます。シンプルなアナログでしか味わえない感触が、音のもつフィジカルな側面の存在を呼び覚まします。

    「フィンガー・プレイヤー」これは実際に身につける事ができるレコードプレイヤーです。指に専用の装置を取り付け、レコードの上に針を落とすと、レコード再生と共に音が生み出される瞬間を身体的に感じることができます。